Vol.105 人の目・人の手とAIの活用。

人の目・人の手とAIの活用。

製造現場の検査工程におけるAI活用の在り方とは!?

日本でも本格的にスマートファクトリー化が進んで行く中、そのトレンドから取り残されそうになっているのが製造現場における「検査工程」です。この工程は長い間「人の目」に依存し、完全な自動化は難しいとされてきました。そこには、機械よりも「人」の方が、スキル面でもコスト面でも優れているという背景があります。

「検査工程」の自動化には、専門の検査装置の導入や製品の不良を正確に検知するため、検査対象となる製品毎に詳細なパラメータ設定が必要など、大掛かりな投資や専門ノウハウが必要でした。そのうえ適用範囲も限定的です。その点、人の目・人の手による検品業務はスキルの習得も早く、検査対象の製品が増えても身に付けた経験と知識から柔軟に対応することができ、さらに人件費以外の投資も必要としません。このような状況を考慮すると、検査工程の自動化が進まないことはある意味必然だったと言えるかも知れません。
ですが、「人」による検品業務は個々の能力や感覚、体調などに依存する点が多く、データとしても残らないため、業務の標準化や効率化に役立てることが困難です。さらに労働人口の減少から人材確保も難しく、技術の伝承・人材育成などが大きな課題となっています。

これらの問題解決に向けて「AI」が注目されており、AIを活用した検査工程ソリューションも出始めています。NEC(日本電気株式会社)が、今年の6月に販売を開始した、AIを活用した目視検査ソリューション「AI Visual Inspection」もその一つです。(※1) 従来人手で行なっていた検品業務と同等以上の検査を可能にするため、機械学習技術の一つであるディープラーニングを活用し、従来人手で行っていた検品業務工数をおおよそ1/2程度に削減するとともに、製造品質の均一化を行うことができるとしています。

AIによる自動化が進むことで1次検査を「AI」が行い、2次検査を「人」が行うなど、「人とAIの分業」も可能になります。従来、「人」の能力や感覚に依存していた検品業務の精度を標準化することができ、人材確保の問題解消にもつながる新しい技術です。今後、この分野の情報にも着目して行きたいと思います。

■(※1) NEC、AIを活用した製造現場の検品業務を省力化するソリューションを販売開始
http://jpn.nec.com/press/201706/20170621_04.html

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