Vol.112 【時代を変えた技術・製品 Vol.2】

【時代を変えた技術・製品 Vol.2】

33年前に誕生した初代Macintoshの技術

技術・製品と共に時代を振り返るこちらのコーナー。第2回目は1984年1月に誕生した「初代Macintosh」をご紹介します。1984年と言えば、日本の平均寿命が男女共に世界一になった年です。日経平均株価が初めて1万円の”大台”を突破し、福澤諭吉の1万円札、新渡戸稲造の5千円札、夏目漱石の千円札が発行されました。オリックス・レンテック(※当時の社名は「オリエント測器レンタル株式会社」)では、東京技術センターの開設準備を進めていた頃です。
「初代Macintosh」のCMは、アメリカンフットボールの頂点を競う「スーパーボウル」のテレビ中継でも放映され、当時の社会への反骨的メッセージを込めた衝撃的なCMとして、現在でも語り継がれる伝説となっています。ステーィブ・ジョブズの指揮のもと、次世代のパソコンとして開発したMacの「原点」とも言える「初代Macintosh」。その技術はどれだけ革新的なものだったのでしょうか。

ウェブ版「週刊アスキー」が2014年1月27日公開した記事では、その詳細な内容が紹介されていますので、ご紹介したいと思います。

【時代を変えた技術・製品 Vol.2】

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■コンパクト
初代Macintoshは、当時のパソコンの常識から考えて、誰が見ても「小さい」と感じる縦長の本体に、キーボードとマウス以外のすべての構成部品を内蔵していた。Macの元祖というだけでなく、そのあとの現在のiMacへと続く、オールインワンの原型を、この時点ですでに確立したと言える。本体をコンパクトにできたのは、9インチという当時としても非常にコンパクトなCRTモニターを採用したことも、大きく影響している。

ただそれ以上に部品点数を極限まで削り、ロジックボードが占める面積を最小にするといったミニマリズム的なこだわりが随所に見られる。さらに、電源とCRTコントローラー基板を一体にして、本体側面に沿って縦に配置するなど、本体内部のレイアウトにも苦労と工夫の跡が残っている。

なお当時は、アップル製品としてはApple II、一般的にはコマンドラインで操作するDOSマシンが全盛の時代で、Windowsはまだ存在していなかった。世界共通仕様のPCとしてのDOS/Vもまだ登場しておらず、日本ではNEC(日本電気(株))の16ビットパソコンであるPC-9801が全盛の時代だった。


■GUI
一般ユーザー向けのパソコンとして、初めて本格的なGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を全面的に採用した製品としても知られる。アイコン/メニュー/ウィンドウ/スクロールバー/ボタン/ラジオボタン/チェックボックス─など、現在のGUIにもある基本的な要素は、すべて備えていた。

この初代MacのGUIの影響力は非常に大きく、その後に登場するWindowsは全体の印象から細かい部分までインターフェースの類似性は枚挙にいとまがない。さらにパソコンだけでなくAV機器や一般家電など、さまざまな製品にも影響を及ぼし、新世代のユーザーインターフェースの先駆けとなった。

もちろん、操作にはマウスを利用する。シンプルさを追求するために、それまで専門家用のワークステーションなどで一般的だった2ボタンや3ボタンは避け、1ボタンを採用した。ドラッグ&ドロップによるアイコンの移動や、プレス&ドラッグによるテキストの範囲指定方法は、この1ボタンのために考え出されたものだ。


■自然空冷(対流空冷)
初代Macintoshの大きな特徴となっているのが、通常の使用中には、まったくの無音で使えるという静粛性だ。当時は、まだハードディスクを内蔵していなかったこともあるが、何より内部を冷却するための空冷ファンを装備していなかったためだ。

冷却は、内部で発生する熱によって起こる空気の対流を利用した自然空冷による。そのために、本体底面に近い台座のように見える部分の周囲と上面には、通気用のスリットが空けられていた。内部で暖められて比重が小さくなった空気が上面のスリットから外に出ると、内部の気圧が低くなり、底面に近いスリットから外部の空気が取り込まれるという循環を繰り返すわけだ。

当時はまだCPUのクロック周波数が約8MHzと低く、ほかにそれほど発熱量の大きな部品も使われていなかったため、一般的な使用条件では、それで十分冷却できた。ただし、夏場に空調されていない部屋で使う場合など、特に過酷な環境で使う際に熱に起因するトラブルがなかったわけではない。また、独自に内部を拡張したマシンでは発熱量が大きくなり、対流による自然空冷だけでは間に合わない場合もあった。そのような状況を克服するために、サードパーティー製の強制空冷装置も発売された。
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いかがでしたでしょうか。
「初代Macintosh」が誕生した当時に、まさに「時代を変えた技術・製品」と呼べる画期的な技術が集約されていたことがわかりますね。今後もそれぞれの時代で「革新的」といわれた製品のご紹介とともに、技術革新の歴史に触れて参りたいと思います。

■引用記事:ウェブ版「週刊アスキー」2014年1月27日公開
祝 Macintosh 30周年!! 初代Macの驚くべきテクノロジー|Mac
文/柴田文彦
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/197/197015/

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