Vol.115 AIで居眠り運転を防止!? 人の眠気を予測して覚醒状態を快適に維持する「眠気制御技術」の実力

AIで居眠り運転を防止!? 人の眠気を予測して覚醒状態を快適に維持する「眠気制御技術」の実力

“AI(Artificial Intelligence)”の話題については、これまで当ページでも製造現場での活用を中心に触れて参りましたが、今日は私たちの生活に身近な「車の運転」における最新の活用技術をご紹介します。
パナソニック株式会社 / オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社が、今年の7月に発表した「眠気制御技術」には、AIを活用した最新技術が用いられています。居眠り運転の防止に向けては、これまでもさまざまな技術が発表されてきましたが、車載式のセンサやドライバーの体に装着するリストバンドなどが、運転者の眠気を感知した際に振動や警告音などのアラートを出す、いわゆる「眠気から覚醒させる方法」が主流でした。それに対し、今回パナソニックが開発した技術は、「眠気を予測して、覚醒状態を快適に維持させる“眠気制御”」である点が特徴だそうです。

■「Panasonic Newsroom Japan」で10月6日(金)に公開された特集では、「眠気制御技術」の特長として以下3つの要素を紹介しています。
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★無自覚の浅い眠気も、1,800のパラメータからAIで検知
顔の表情や動き、まばたきに関するさまざまな計測結果と、パナソニックがこれまでに収集した外国人を含む眠気レベルをデータベース化し、表情やまばたきなどに関する約1,800のパラメータと眠気の関係を分析した他、公益財団法人 大原記念労働科学研究所との共同で行った眠気表情の分析結果に基づいて、本人には自覚のない「浅い眠気」までを検知するAIの開発に成功したそうです。

★放熱量や明るさを計測し、これからの眠気推移を予測
千葉大学との共同研究により、着衣の状態に関わらず、人の体からの放熱量が多い(=寒く感じている)場合は、眠気が進行しにくいことが明らかになりました。これに加え、パナソニックが開発した赤外線アレイセンサ「Grid-EYE(グリッドアイ)」を用いて非接触での方熱量計測に成功しています。さらに周囲の明るさを環境センサで計測し、今後の時間経過が眠気に与える影響も明らかにしました。
この様に多彩なセンサ技術を用いて、ドライバーを取り巻く環境や状況を把握し、ドライバーの眠気がこれからどのように推移していくかを予測できるようになった他、カーナビゲーションと連動することで、目的地への到着時刻を把握し、目的地までの眠気レベルの推移も予測できるようになったのだそうです。

★ドライバーの安全運転をサポート
眠気のレベルが低下した場合、空調をコントロールすることによってドライバーの覚醒状態は維持しやすくなるものの、極端に周りの温度を低くすると、快適性が著しく損なわれてしまいます。パナソニックでは、温冷感(暑い寒いの感覚)と生理学の知見を応用して、風の影響が大きい車室内環境においても適用できる温冷感推定技術を、奈良女子大学との共同研究で開発しました。
これにより、赤外線アレイセンサ「Grid-EYE」で人の温冷感を常にモニタリングしながら、車室内の状況に応じて、空調や音響システムなど最適な手段を選択し、快適に覚醒状態を維持できるようになったと発表しています。
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今後は「居眠り運転の防止」だけでなく、オフィスや教育現場など、集中力を要するシーンでの活用も視野に入れ、眠気を予測する解析技術の精度向上を図っていくそうです。これまで紹介してきました「人の仕事を手助けするAI技術」にプラスして、「人の集中力を維持するためのAI技術」が登場してきたことで、AIの活用シーンがさらに拡がりを見せそうですね。今後も適時、AI活用の話題に着目して参ります。

■引用記事:Panasonic Newsroom Japan
パナソニックの「今」を伝える
表情やまばたき、放熱量から人の眠気を検知し予測する~安全運転や仕事、勉強をサポート
http://news.panasonic.com/jp/stories/2017/51112.html

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