Vol.130 【時代を変えた技術・製品 Vol.4】

【時代を変えた技術・製品 Vol.4】

SONY 初代「ウォークマン®」 TPS-L2

技術・製品と共に時代を振り返るこちらのコーナー。第4回目は、1979年(昭和54年)7月1日に発売されたSONY 初代「ウォークマン®」(TPS-L2)のご紹介です。井深大氏と盛田昭夫氏が1946年(昭和21年)5月に設立した「ソニー」は、いくつもの革命的な製品を世に送り出し、今や日本が誇る世界的なメーカーとなりました。初代「ウォークマン®」も、ソニーが起こしたライフスタイル革命の一つと言えるのではないでしょうか。

初代「ウォ―クマン®」はまだCDやMDが存在していなかった当時、音楽記録媒体の主役だった「カセットテープ」を、外でも聴くことができるようにと開発された製品ですが、その原型となるモデルは1978年5月に発売されていました。肩掛け型で教科書サイズのテープレコーダー「TC-D5」です。この「TC-D5」を愛用していた井深大氏が、大きさと重さに不便を感じ、スピーカーと録音機能を省いた“再生専用のテーププレイヤー”の開発を発案します。これが「ウォ―クマン®」誕生のきっかけだそうです。
ステレオタイプでカセットテープの音を楽しむことに特化し、本体・ヘッドフォンともに小型・軽量化を実現しただけでなく、高い「音質」も確保しました。「ウォ―クマン®」の名は、“好きな音楽をどこでも持ち歩く”というコンセプトから命名されました。

■SONY 初代「ウォークマン®」 TPS-L2の主な仕様は以下の通りです。
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□価格:33,000円 (※当時の大卒初任給平均:109,500円)
□サイズ:88mm×133.5mm×29mm(幅/高さ/奥行)
※ポケットに入るサイズではありませんが、当時ステレオ仕様としては革命的と言える小型サイズでした。
□重量:390g
※乾電池含む、他の付属品含まず
□電源:単3アルカリ乾電池2個/または別売バッテリーパック「BP-33」使用
□再生:連続再生8時間可能
※ソニーエバレディ乾電池アルカリAM3を2個使用の場合
□付属品
・カセットテープ
・ソニー:エバレディ乾電池アルカリAM3
・ステレオヘッドフォン
・キャリングケース(肩掛けベルト、カセット・電池ケース付)
□その他、特長
・ヘッドフォン端子が2つあり、2人で音楽の共有が可能
・ミュートボタンがあり、2人で音楽を聴いている時にこのボタンを押すと
 本体内蔵マイクで、ヘッドフォンを外さなくても会話が可能
※広告やカタログにも「ウォークマン®」を2人でシェアするシーンをアピールしたものが目立ちました。
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「音楽は家の中で聴く」が当たり前だった当時、時代の先を行き過ぎたのか、発売直後の反応は決して良くはなかったそうです。ですが、影響力のある有名人や新しい製品への感度が高い若者たちに、「ウォークマン®」を利用してもらうといった地道なPRを繰り返し、徐々に認知度を高めて購買層を増やした結果、その後世界中で爆発的なヒットとなりました。
1990年代に入り、CDを中心としたデジタル記録媒体への移行が加速すると、音質の劣化や頭出しに時間がかかるなどといったデメリットを持つ「カセットテープ」は徐々に衰退して行き、ソニーも2010年(平成22年)10月に、カセットテープ式「ウォークマン®」の国内販売を終了したことを明らかにしました。
カセット型の「ウォ―クマン®」は、ここで31年間の歴史に幕を閉じましたが、世の中に与えたインパクトと、果たした役割の大きさは計り知れません。「時代を変えた技術・製品」として、現在も、そして今後も永く語り継がれていくのではないでしょうか。

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