Vol.155 スイス連邦工科大学チューリッヒ校 (ETH)

スイス連邦工科大学チューリッヒ校 (ETH)

ロボットを活用した新たな木造建築技術を牽引!

ETHに2016年10月に新設された「Arch_Tec_Lab」のファシリティ機能の一つに、「Robotic Fabrication Laboratory(RFL:ロボット製造研究所)」と呼ばれる巨大な研究施設があります。ここでは「木造建築」に重点を置いた、ロボットによる建築プロセスの作成、その手法と技術開発についての研究が行われています。同研究所が先月発表した内容を確認してみると、ロボットを活用した“これまでにない木造建築技術誕生”の可能性をうかがわせてくれました。
ETHと複数機関が連携する「Spatial Timber Assemblies DFAB Houseプロジェクト(※)」が行っているのは、建材のカットや建物の枠組みだけでなく、設計から建築まですべてのプロセスを、アシスタントロボットで行うための研究です。製造業を中心にさまざまな業界でロボット導入が加速している中、建築現場での導入はまだ限定的で、従来の建築現場においてロボットが担っているのは、指定したサイズ・角度に木材をカットするといったものです。その他ほとんどのパートは職人による手作業で進められていました。

同プロジェクトでは、「Digital Timber Building Method(デジタル・ティンバー・ビルディング・メソッド)」を開発し、木造建築におけるロボット活用の可能性を広げています。REFの天井には複数の多関節ロボットアームが吊るされており、木材を決められた長さにカット、また指定の位置にドリルで穴をあけてくれます。コンピューターに設定したCADのレイアウトに基づき、ビームを正確な位置(座標)に配置してくれるため、ほとんどの作業は人が介入することなく行われ、補強材や足場も必要としません。さらに研究者は、個々のアームが木材を配置する際の衝突を防ぐために、建設状況に応じてロボットの動作を絶えず再計算するアルゴリズムを開発しています。

プロジェクトを率いるMatthias Kohler氏は、このようなデジタル建築技術は、設計・計画・実行プロセスを効率化させる役目を果たすとしています。自動車や家電などの製造工場に比べ、ロボット導入が遅れていた感がある建築業界ですが、「DFAB House Project」での大規模な実験・研究開発により、新たなトレンドが生まれるかも知れません。今後も適時着目して参りたいと思います。

■参考情報:スイス連邦工科大学チューリッヒ校 (ETH) 2018年3月22日リリース(※)
Robotic collaboration in timber construction
https://www.ethz.ch/en/news-and-events/eth-news/news/2018/03/spatial-timber-assemblies.html

■YouTube動画:Spatial Timber Assemblies
https://www.youtube.com/watch?v=jA9lJDZuYNk&feature=youtu.be

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