Vol.156 【時代を変えた技術・製品 Vol.7】

【時代を変えた技術・製品 Vol.7】

任天堂 ファミリーコンピュータ

技術・製品と共に時代を振り返るこちらのコーナー。第7回目は、1983年(昭和58年)7月15日に発売された、任天堂「ファミリーコンピュータ(HVC-001)」のご紹介です。今年の7月で誕生から35周年を迎えます。
いまや、日本が誇るゲームメーカーとして、世界中にファンを持つ任天堂ですが、その始まりは「花札」の製造でした。意外に知られていないことかも知れませんが、任天堂は1902年(明治35年/創業13年目)に、日本で初めて「トランプ」の製造を始めた会社でもあり、「花札」と「トランプ」は現在でも製造されています。

「ファミリーコンピュータ」は、任天堂が1970年代後期から開始したゲーム機事業の成功を背景に、多額の費用を投じて開発した「家庭用ゲーム機」です。その当時、既にゲームセンターなどで人気を博していた業務用テレビゲーム『ドンキーコング』を、“家庭でも見劣りしない品質で楽しめる性能”を開発目標として設定していたのだとか。『ドンキーコング』のアーケード基板をベースに、価格と機能の両面で「家庭用ゲーム」向けに、徹底的な最適化が進められました。当時、汎用ICを搭載していることが多かった他社のゲーム機やパソコン等とは一線を画し、ゲームの表現力に必要不可欠なグラフィック面に特化した設計にすることで、競合製品と同価格帯でありながら、アーケードゲーム機と比べても遜色のないグラフィックと描画を実現したのです。

発売当初こそ、バグの発覚による出荷停止などトラブルも発生しましたが、瞬く間に大ヒット商品となり、発売開始後1年間で300万台以上。最終的な出荷台数は日本国内だけでも1,900万台を超え、全世界累計で6,200万台以上に達しました。まさに、ゲーム業界における「時代を変えた製品」ではないでしょうか。
そしてもう一つ、「ファミリーコンピュータ」のヒットを支えた存在として、忘れてはならないのが、カセット挿入式の“ファミコンソフト”です。本体と同時に発売されたタイトルは、『ドンキーコング』、『ドンキーコングJR.』、『ポパイ』の3本のみでしたが、その後『麻雀』、『マリオブラザーズ』、『ベースボール』、『テニス』など次々と発表され、ファミコン人気の高まりに伴い、続々と他のゲーム業界も参入しました。1985年(昭和60年)に発売された『スーパーマリオブラザーズ』や、1986年(昭和61年)に1作目が発売された『ドラゴンクエスト(エニックス)』など、“社会現象”とまで言われるソフトも登場し、その人気を不動のものとします。『ロードランナー(ハドソン)』、『パックマン(ナムコ)』、『マッピー(ナムコ)』、『バンゲリングベイ(ハドソン)』、『イー・アル・カンフー(コナミ)』、『スパルタンX(任天堂)』・・・、当時、ファミコンに興じたご経験をお持ちの方は、個性的なソフトの名前をたくさん思い浮かべたのではないでしょうか。

■任天堂「ファミリーコンピュータ(HVC-001)」の主な仕様は以下の通りです。
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□価格:14,800円 (※当時の大卒初任給平均:132,200円)
□CPU:8ビット/リコー製RP2A03
□ビデオ用PPU:リコー製RP2C02
□ワーキングRAM:2kバイト(16kビットSRAM)
□VRAM:2kバイト(16kビットSRAM)
□表示画素数:横256ドット×240ライン
□色表示性能:52色/同時発色数:25色
□1ch / 2chチャンネルセレクトスイッチ:ゲーム/テレビ切り替えスイッチ
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さまざまな業界の「時代を変えた技術と製品」。今後もシリーズで展開して参ります。

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