Vol.159 MIT 「砂漠の空気から飲料水を抽出できる技術」を開発!

MIT 「砂漠の空気から飲料水を抽出できる技術」を開発!

この記事のタイトルをご覧になり、「乾燥地帯の水不足解消に繋がるのでは?」と期待を感じた方も多いのではないでしょうか。MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究チームは、アリゾナ州フェニックス都市圏イーストバレーに位置する「テンピ」で、大気から飲料水を抽出するための研究・開発を進めています。フェニックスは「アメリカで最も暑い都市」として知られ、一年を通して気温は高く、そして空気は極めて“乾燥”しています。日本の平均湿度が50%~80%程度で推移(12月~1月が最も低く、8月が最も高い)しているのに対し、テンピの平均湿度はわずか15%~20%程度しかありません。10%を切ってしまう日も多いのだそうです。

ただし逆の見方をすると、地球上でもっとも空気が乾燥していると言われる砂漠地帯でも、わずかながらも大気中に水分を含んでいるということになります。MITが目指している成果は、このわずかな水分から飲料水を抽出することです。これまで空気から水を抽出するための方法は、湿度100%の環境下で行われ、また冷却には大量のエネルギーを必要とする結露凍結システムに基づくものでした。これに対し、MITが実験を行っている環境の相対湿度はわずか10%。太陽光で駆動させる実験装置は、MOF(金属有機フレームワーク)とよばれるナノ素材を利用しており、極端に乾燥したフェニックス都市圏「テンピ」の大気からも水分を抽出することに成功しています。しかも、既存同種装置にくらべて50%以上も抽出効率が高いというのです。

MIT 「砂漠の空気から飲料水を抽出できる技術」を開発!

この装置は現在、アリゾナ州立大学の屋根に設置されていて、抽出された水分量はまだわずかですが、その水は不純物を含まない「純粋な水」です。研究チームのリーダー、Evelyn Wang氏は、「この技術の生産能力をさらに上げることができれば、南カリフォルニアなど水が乏しい地域に真のインパクトを与えることができます」と説明しています。一度設置し、空気中の水分の抽出を開始すれば、かなりの期間放置しても安定して稼働を続けるという点にも可能性を感じますね。
実用化に向けては、抽出できる水の量とコスト面の問題をクリアーすることが大きな課題となりますが、期待せずにはいられません。今後も適時、着目して参りたいと思います。

■参考記事:MIT News 2018年3月22日リリース
In field tests, device harvests water from desert air
http://news.mit.edu/2018/field-tests-device-harvests-water-desert-air-0322

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