Vol.166 【時代を変えた技術・製品 Vol.8】

【時代を変えた技術・製品 Vol.8】

IBM Personal Computer model 5150

技術・製品と共に時代を振り返るこちらのコーナー。第8回目は、1981年(昭和56年)8月に発売され、「ビジネスの世界を永遠に変えた」と称された、パーソナルコンピューター「IBM Personal Computer model 5150」のご紹介です。

IBMが最初に発売したPCで、すべてのIBM PC互換機の先祖と言えるマシンです。当時、アップルの「Apple II」とデジタルリサーチの「CP/M」に独占されていたホームコンピュータ市場に、IBMが参入する最初の製品として開発されました。開発にあたったのは、フロリダ州ボカラトンにあるIBM Entry System Division(ESD)のフィリップ・ドン・エストリッジ率いる、わずか14人の開発チームです。
メーカー独自のプロセッサやソフトウェアを搭載・構成することが当たり前だった時代に、IBMは敢えて従来の開発手法に囚われず、CPU・メモリなどのハードウェアや、OSなどのソフトウェアを市場から調達する手段を選びました。そのため「IBM PC 5150」は、ほとんどが一般市販部品で構成され、半導体からソフトウェアまでを外部調達で賄っています。現代では当たり前になりましたが、PC業界における「OEM戦略」の走りと言えるかも知れません。こうしてわずか1年という短い期間で開発に成功してしまったのです。

さまざまな国や企業から、「既製品」のパーツを集めて構成された「IBM PC 5150」は、カタログ上の機能・性能においては「平凡である」と評されました。しかし、他社のPCにはない拡張性や、技術仕様を公開したことが功を奏し、IBMの提供するオプションより優れた拡張カードや周辺機器、ソフトウェアなどを発売する外部企業が相次いで登場したことで、結果として「IBM PC 5150」の有用性を高めることになりました。
「IBM PC 5150」の登場は、PCが個人ユースから企業ユースへと市場が拡大するきっかけにもなり、また各社が互換機を次々と発売したことで、「IBM PC」が市場のデファクトスタンダードとなったのです。他社のPCが登場する際の広告には、必ずと言ってよいほど「IBM PC」との比較表が提示されていたと言いますから、そのインパクトがいかに大きかったかが伺えます。まさに“時代を変えた製品”ですね。

■「IBM Personal Computer model 5150」の主な仕様は以下の通りです。
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□IBM 5151モニターを備えたIBM PC(IBM 5150)
□OS:IBM BASIC、PC DOS 1.x、
□CPU:8088 4.77MHz 8087 FPU オプション
□メモリ:16KB~256KB(標準)
□外部記憶:フロッピーディスク 160KB×1基
□ディスプレイ:オプション(MDAまたはCGA)
□カセットテープインターフェース
□ROM-BASIC (Microsoft GW-Basic)
□84キーボード
□PC拡張バス 5スロット
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さまざまな業界の「時代を変えた技術と製品」。今後もシリーズで展開して参りますので、ぜひご注目ください。

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