Vol.165 ワシントン大学の研究チーム 99%少ない電力で、HDビデオを伝送する技術を開発!

ワシントン大学の研究チーム 99%少ない電力で、HDビデオを伝送する技術を開発!

ウェアラブルカメラや車載カメラ、スマートホームなどで使用される監視用カメラには、HDビデオを伝送する技術が必要となりますが、ビデオを高速処理して、エンコードされた映像データをWi-Fi越しに送信するためには、多くの電力を要します。カメラ(デバイス)を小型化すればするほどバッテリー容量は限られ、高精細なビデオストリーミングが実行できず、逆にカメラを大きくしてしまうと、本来の役割が果たせないといった、トレードオフの関係にあるのが現状です。
今回ワシントン大学の研究チームが開発した、新しいHDビデオストリーミングの技術は、この問題の解決に繋がるかも知れません。彼らが採用した方式は、バックスキャッター(後方散乱)と呼ばれるもので、電力をほとんど消費することなく、信号を送信することができます。なぜこのような事が可能になるかというと、カメラなどのデバイスに電力を供給させるのではなく、カメラを単なる信号の発信源として、他のアンテナがその信号を反射し、近くのデバイス(スマートフォン等)に送信するからです。カメラよりも容量が大きいデバイスが信号をキャッチし、カメラの代わりにHDビデオの処理を行うというわけです。

ワシントン大学の研究チーム 99%少ない電力で、HDビデオを伝送する技術を開発!

この新しいビデオ伝送システムでは、カメラの出力が直接アンテナと接続されているため、カメラが映した映像のピクセルの明るさが、反射される信号の長さと直接相関しています。また、各フレームからのピクセル情報はパルスに変換されます。短いパルスは暗いピクセルを指し、より長いパルスはより明るいパルス、最も長いパルスは白を指すといった形です。研究チームは、HDのYouTube動画データを、この伝送方法を用いてテストし、720pのHDビデオを毎秒10フレームで最大14フィート(約4.3m)先にあるデバイスにストリーミング配信することに成功しました。
実用化にはもう少し時間が掛かりそうな印象ですが、研究チームはこの技術が、低電力ビデオストリーミング分野の最前線にあり、より多くのエネルギー節約に繋がるとコメントしています。「低電力ビデオストリーミング」技術が発展して行くことは、さまざまなシーンでのライブ映像や、監視カメラによるセキュリティ対策などに役立ちますので、今後も注目して参りたいと思います。

■参考記事:UW NEWS 2018年4月19日リリース
Researchers achieve HD video streaming at 10,000 times lower power
http://www.washington.edu/news/2018/04/19/researchers-achieve-hd-video-streaming-at-10000-times-lower-power

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