Vol.164 AI技術を活用した"超高速3次元高分解能観察技術"の開発に成功!

AI技術を活用した"超高速3次元高分解能観察技術"の開発に成功!

東北大学多元物質科学研究所(IMRAM)は、防衛大学校と共同で、集束イオンビーム-走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)による3次元ナノ計測を、最新のディープラーニング(深層学習)など、人工知能(AI)技術を用いて高解像度・高速で行える技術を開発したと発表しました。
「FIB-SEM」は、半導体材料や電池材料、柔軟材料(プラスチック、ゴム、遷移、ゲル等)、複合材料などの、立体的構造を計測するために用いられていますが、イオンビームによるダメージが大きい柔軟材料や複合材料では、細かいピッチでの切削観測が難しいため、高解像度での計測が困難でした。
また、「FIB-SEM」による3次元像の解像度は、x-y面が高くz方向の解像度はそれに比べて低く、x-y面もz方向の低い解像度に合わせざるを得ないという課題がありました。これを解決するため、東北大学と防衛大学の研究チームは、x-y面について本来の像と劣化させた像の関係性を、「ディープラーニング」で学習させ、このデータを基に、本来の像に対して解像度を高める超解像化処理を行っています。

AI技術を活用した"超高速3次元高分解能観察技術"の開発に成功!

この方法により、ポリマー中に分散させたシリカ粒子の3次元凝集構造を2nm(※ナノメートル/1ナノメートルは100万分の1ミリ)の解像度での計測し、さらに、非対称低解像度計測を模擬したデータに対するDL超解像処理試験において、試作した計測手法を実証することに成功しました。同開発チームは、「この技術により、実用上の解像度を確保しつつ計測時間を短縮するハイスループット化や、高解像度化が可能になる」とし、また「今回の実例に限らず様々な柔軟材料・複合材料に展開することが可能で、今後AIを用いた材料開発のひとつとして期待される」と発表しています。

非常に専門性の高い話題ですが、最新鋭の電子顕微鏡でも正確な計測が難しかった課題を、AI活用により実現したということになります。こちらの研究成果は、英国時間の4月12日に「Nature Publishing Group」の電子ジャーナル「Scientific Reports」にも掲載されました。ご興味をお持ちの方は東北大学のプレスリリース情報をぜひご覧ください。(※ご紹介の写真はイメージです)

■東北大学 プレスリリース2018年4月13日
ディープラーニングなどAI技術を活用した超高速の3次元高分解能観察技術の開発に成功
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/04/press20180412-deeplearning.html

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