Vol.170 NASAの衛星が地球上にある"淡水"の変化を明らかに!

NASAの衛星が地球上にある"淡水"の変化を明らかに!

私たちのいる地球は「水の惑星」と言われている様に、地球の表面積のおよそ7割が水で覆われています。地球上にはおよそ14億立方キロメートルもの『水』が存在すると推計されていますが、その大部分は「海水」であり、「淡水」は地球全体の水量のわずか2.5%程度なのです。
しかも淡水のおよそ7割は、北極や南極大陸などに氷河として存在し、また残りの淡水のほとんどは帯水層などの地下水であるため、河川や湖など、地表に存在する淡水となると、全体の0.4%、地球上のすべての水量のわずか0.01%(10万立方キロメートル)に過ぎないのです。ユネスコの統計によると、全世界で人間が使用する一年間の水量は2000年時点でおよそ4,000立方キロメートルに上ります。仮に使用した水がいっさい自然に還ることなく、このペースで“減少だけ”を続けた場合、単純計算で25年後には地表に存在する淡水が枯渇することになります。人間だけでなく、陸上生物が生きていくうえで欠かせない「淡水」は、極めて希少な存在なのです。

今回、NASA(米国航空宇宙局)の研究者たちが公開したのは、地球観測衛星の測定データを使い、地球上の「淡水の供給源」の変化を追跡したものです。その結果、地球上の多くの場所で人間が淡水の供給源に劇的な影響をもたらして来たことが確認されました。研究チームは、NASAの人工衛星「GRACE」が14年間かけて観測してきた地下帯水層、土壌、雨や雪、湖および河川といった淡水量の増減や、地域ごとの総量の変化を分析しています。これに加え、降水量の傾向やその他さまざまなデータも加え、水の採取量や大量の水の損失などが起きた原因を特定しました。
水が損失した原因として浮かび上がってきたのは主に、農業地域における地下水の過剰な汲み上げです。カリフォルニア州のセントラルバレーで見られた重大な地下水の枯渇や、サウジアラビアで見られる淡水の減少など、水量に大きな変化が起きている世界34地域の「ホットスポット」のうち、およそ3分の2は農業地帯であり、地下水の過剰な汲み上げが行われている地域です。さらに研究チームは、人間の生活に直接関係していないように思われる地域の「淡水の貯蔵」の減少についても、地球温暖化などの気候変動によって引き起こされた氷河溶融や、炭鉱で行う地下水の汲み上げなどによる影響だと指摘しています。
宇宙からの観測により、地球上にある淡水の動向を確認できてしまう技術の高さを認識するとともに、人間のさまざまな活動が地球に及ぼす影響も痛感する内容です。ご興味をお持ちの方は、ぜひNASAのページにてご確認ください。※ご紹介の画像はイメージです。

■参考記事:2018年5月17日 NASA RELEASE
NASAの衛星は、地球の淡水の主な変遷を明らかにする
NASA Satellites Reveal Major Shifts in Global Freshwater
https://www.nasa.gov/press-release/nasa-satellites-reveal-major-shifts-in-global-freshwater

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