Vol.168 シンガポールのNTU・IKEAの椅子を組み立てられるロボットを開発!

シンガポールのNTU・IKEAの椅子を組み立てられるロボットを開発!

NTU(南洋理工大学)の研究チームが、研究・開発に3年を要したというこのロボットは、6軸動作が可能な2本の産業用ロボットアームと3Dカメラで構成されています。研究チームは、3つのオープンソースから独自のアルゴリズムを作り、ロボット自身が椅子の組み立て手順を計画、部品を配置、そして組み立てまでを完了させることに成功しました。
実験に使用されたのは、IKEAが販売する「STEFAN」という椅子(25ドル)です。組み立て手順の計画から組み立て完了までに要した時間はおよそ20分(※組み立て作業=8分55秒、組み立て手順の計画と部品の配置=11分24秒)だったそうです。現時点では、人間が普通に組み立てるよりも長い時間を要している様ですが、研究チームのコメントにもある通り、複数のパーツやネジ、木製の栓などから成る椅子を、ロボットが独自に判断して組み立てる作業は想像以上に複雑です。

椅子の組み立てを完了させるには、視覚・触覚、そしてそれらを把握して実行させる動作を一体化させる必要があります。ロボットはまず、床に配置された全パーツの3D写真を撮り、各パーツの推定位置のマップを生成することで組み立て計画を作ります。このプロセスは、人が箱を開けてから全てのパーツが揃っていることを確認し、説明書を見ながら組み立て手順を考えることと同じです。課題となるのは、正確な計画を迅速かつ確実に判断することができるかどうかです。
計画が決まった後は、研究チームが独自開発したアルゴリズムにより、高速かつ衝突のない両手動作をロボットが開始します。アームにはパーツをどれくらいの強さで握るかを判断する力センサが搭載されており、パーツとパーツを接触させるために必要な力も判断します。形状やサイズの異なる複数のパーツと、各パーツの位置、パーツを持つために必要な力を判断し、そして2本のアームがお互いに衝突することなく動作することで、ネジや栓の挿入までを完結させることを可能にしているのです。

NTUの研究チームは、「われわれは、ロボットに『組み立て方法』を教える機能を実現した。今後5年~10年のうちに、高レベルの論理的思考、つまり『何をすべきか』を判断することも可能になるかもしれない」と語りました。
いかがでしたでしょうか。今後、ロボットに完成形の画像を見せたり、ロボットに口頭で指示を出すだけで、独自に判断し、組み立てを完成してしまうようなことが可能になるかも知れません。今後も適時、注目して参りたいと思います。

■参考記事:2018年4月19日 NTU Media Releases
A robot by NTU Singapore autonomously assembles an IKEA chair
http://media.ntu.edu.sg/NewsReleases/Pages/newsdetail.aspx?news=e01a93bc-0ca2-4d6e-bc94-06c7ab903c3e

■IKEA:STEFAN
https://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/80363426

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