Vol.177 NASA "火星でヘリコプターを飛ばす"プロジェクトを推進!

NASA "火星でヘリコプターを飛ばす"プロジェクトを推進!

火星探査機「マーズ2020」を2020年7月打ち上げ予定!

今年の7月31日に、「地球と火星の距離が最接近する」ことが話題になっています。太陽を中心に周っている地球と火星の軌道は周期も異なるため(地球は1年間、火星は2年2ヶ月間)、およそ2年おきに地球に近づいたり、遠ざかったりしているのだそうです。今回の「最接近」で地球から火星までの距離は、5,759万キロメートルで、これは2003年以来、15年ぶりの最接近となります。地球と火星が最も離れた位置にあるタイミングでは、1億キロメートル以上になると言いますから、確かに「最接近」と言えそうですね。

今日ご紹介する話題は、タイトルにもあります通り、NASAが行っている「火星でヘリコプターを飛ばすプロジェクト」です。これは2020年7月に打ち上げ予定の火星探査機「マーズ2020」とともに、地球外惑星の上空で重機を飛ばすことが可能なのか、その可能性を実証するもので、もちろん世界初の取り組みとなります。NASAのジェット推進研究所(JPL)で2013年8月から開始されました。
研究チームは4年間に亘り、設計・テストを繰り返し、最終的にわずか1.8キログラムのヘリコプターを設計しました。ヘリコプターには、リチウムイオン電池を充電する太陽電池や、寒い火星の夜でも温度を保てるための加熱機構など、火星での動作に必要な機能が内蔵されています。ソフトボールほどの胴体には、逆回転する2枚のブレードが取り付けられ、ローターが回るスピード(ブレードの回転数)は、地球の空を飛ぶヘリコプターのおよそ10倍(3,000rpm)に達します。なぜこれほどの軽量化と、揚力が必要なのかというと、「火星の大気の薄さ」を考慮する必要があるためです。
プロジェクトマネージャー:ミミ・アウン氏によると、火星の大気は地球上のわずか1%に過ぎないため、「ヘリコプターが火星の地面にある時、地球ではすでに10万フィート相当になっている」と説明し、また「低気圧で飛行させるためには全てを精査し、可能な限り強力且つ、軽量化する必要がある」と結論付けました。

NASA "火星でヘリコプターを飛ばす"プロジェクトを推進!

ヘリコプターは、地球上のコントローラーから遠隔操作で飛行させますが、地球から受け取ったコマンドを解釈して、自ら飛行する自律的な能力を持っていると言います。30日間の飛行テスト期間中、飛行距離・飛行時間ともに、徐々に伸ばしていく計画で、最大5回のテストを行うそうです。火星探査機「マーズ2020」は、2020年7月にフロリダ州のケープカナベラル空軍基地からUA(United Launch Alliance)アトラスVロケットで打ち上げられ、2021年2月に火星に到着予定です。

NASAの管理官ジム・ブライデンスタイン氏は、「別の惑星の空を飛ぶヘリコプターのアイデアにとても興奮している。火星ヘリコプターは、私たちの未来の科学や発見、そして火星探査ミッションに対して役立つと大きく期待されています。」と語り、ジョン・クルバーソン米国務長官は、「米国が世界で最初に、別の惑星で飛行機を飛ばすことに成功する国になることは間違いありません。この刺激的で先見的な業績は、米国全土の若者が科学者やエンジニアになるよう促し、将来的にはさらに大きな発見の道を切り開くだろう」と語っています。

「火星の空を地球のヘリコプターが飛ぶ」
まるでSF映画のようなこのプロジェクトに今後も注目して参りたいと思います。

■参考サイト:NASA/Mars Helicopter to Fly on NASA’s Next Red Planet Rover Mission
https://www.nasa.gov/press-release/mars-helicopter-to-fly-on-nasa-s-next-red-planet-rover-mission

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