Vol.182 南極氷河の年間損失量は2012年以来3倍に増加/世界の海面は3ミリ上昇!

南極氷河の年間損失量は2012年以来3倍に増加/世界の海面は3ミリ上昇!

NASAとESAの国際気候評価

地球上に存在する氷のほとんどは、南極大陸とグリーンランドにあるため(南極大陸=90%、グリーンランド=9%)、南極大陸の氷河の損失は、海面の上昇に大きく影響します。ちなみに「大陸」が存在しない北極の氷の厚さは、平均で3メートル程度/最大でも10メートル程度であるのに対し、南極の氷の厚さは平均で2,400メートル程/最も厚いところでは4,500メートルにも達すると言われています。南極大陸は「地球上で5番目に大きな大陸」であり、面積はオーストラリア大陸のほぼ2倍に相当する約1,400万平方キロメートルです。

南極氷河の年間損失量は2012年以来3倍に増加/世界の海面は3ミリ上昇!

先月、NASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(ヨーロッパ宇宙機構)が発表した調査結果データによると、南極大陸の氷河の年間損失量は2012年以降およそ3倍に膨らみ、地球の海面を3ミリメートル(0.12インチ)上昇させたと結論付けました。42もの国際機関/80名の科学者から成る研究チームは、衛星調査などを用いて1992年から2017年までの25年間、南極氷河の質量推移を調査しており、2012年以前の年間損失量がおよそ838億トンだったのに対し、2012年以降はおよそ2,414億トンと3倍近くに増加していることを確認しました。これは、南極半島を含む南極大陸西部の氷河損失量と、東側の氷床の成長の減少量を合計したものです。毎年2,414億トンの氷河の損失は、海面を0.6ミリメートル(0.02インチ)ずつ上昇させます。

南極氷河の年間損失量は2012年以来3倍に増加/世界の海面は3ミリ上昇!

一年間に0.6ミリメートルと聞くと、ほんのわずかな変化に感じてしまいがちですが、注意すべきポイントはここ25年間の“氷河損失スピードの上昇”です。海面水位の変化グラフ(Changes in the Antarctic ice sheet’s contribution to global sea level, 1992 to 2017.)が示す通り、急激に速まっている様子がうかがえます。南極大陸の氷河が損失する理由については、地球温暖化などの気候変動が影響していると考えられていますが、実際には明確になっていないのです。ですが、氷河は太陽光を反射するという非常に大きな役割を果たしていて、この氷河が解けてしまうと、北極海で太陽光を反射する面積が減り、北極海の熱の吸収が促進され、海水温がさらに上昇してしまうことが懸念されています。そして、氷河の損失が海面上昇に繋がっていることは明確なのです。仮に南極大陸の氷河が全て解けてしまうと、世界の海面は58メートル(190フィート)も上昇すると言われています。

南極氷河の年間損失量は2012年以来3倍に増加/世界の海面は3ミリ上昇!

この数年で氷河の損失ペースが急激に上昇していることを考慮すると、気候変動が与える影響、今後の損失ペースを予測・理解することは極めて重要です。ご興味をお持ちの方は、「NASA」のリリース情報にてその研究内容をご確認ください。

■参考サイト:NASA 2018年6月14日リリース
Ramp-Up in Antarctic Ice Loss Speeds Sea Level Rise
https://www.nasa.gov/press-release/ramp-up-in-antarctic-ice-loss-speeds-sea-level-rise

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