Vol.181 富士通&理研 ポスト「京」開発における中核CPU試作チップを完成!

富士通&理研 ポスト「京」開発における中核CPU試作チップを完成!

AI・ディ―プラーニングなど、最新データサイエンスへのアプローチに、超ハイスペックマシーンが不可欠になっている状況を背景に、スーパーコンピュータの開発が加速しています。先月初旬には、日立製作所が構築したスーパーコンピュータシステムが気象庁に導入され、気象計算プログラムが従来システムに比べ、約10倍高速化された例をご紹介しました。(※1秒間の演算回数は1.8京回) さらに時期を同じくして、IBMとオークリッジ国立研究所(米国エネルギー省)は、"地球上で最も高性能なコンピュータ"と銘打つ『Summit』を構築し、1秒間の演算回数はなんと20京回に及んでいます。
本日ご紹介するのは、富士通と理科学研究所が共同開発を進めている、スーパーコンピュータ「京」の後継機=“ポスト「京」”の中核となるCPU試作チップ完成・機能試験開始のニュースです。2012年に完成→共用が開始された「京」は、スーパーコンピュータの実用面を示す主要な性能指標で、現在でも世界トップの性能(※2017年11月ランキング)を有していますが、“ポスト「京」”では、最先端の半導体技術と省電力設計/電力制御機能を盛り込むことで、京の最大“100倍”となる性能を達成しながら、消費電力は約3倍程度に抑えることを具体的目標として掲げています。システムの特長として、以下の4点を挙げています。

★消費電力性能
★計算能力
★ユーザーの利便・使い勝手の良さ
★画期的な成果の創出

これらを世界最高水準で備え、総合力で他のシステムを卓越するというとてつもない計画です。2021年ごろの共用開始を目指しています。富士通と理科学研究所は、この計画の実現に向けて設計したCPUの試作チップにおける初期動作を確認したことで、「システム開発における重要なマイルストーンを順調にクリアした」と発表しました。
これだけの能力を有する“ポスト「京」”が、重点的に取り組むべき課題とはいったいどのようなものでしょうか。富士通と理化学研究所では、以下の社会的・科学的課題を掲げています。

富士通&理研 ポスト「京」開発における中核CPU試作チップを完成!

★重点課題
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・生体分子システムの機能制御による革新的創薬基盤の構築
・個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学
・地震・津波による複合災害の統合的予測システムの構築
・観測ビッグデータを活用した気象と地球環境の予測の高度化
・エネルギーの高効率な創出、変換・貯蔵、利用の新規基盤技術の開発
・革新的クリーンエネルギーシステムの実用化
・次世代の産業を支える新機能デバイス・高性能材料の創成
・近未来型ものづくりを先導する革新的設計・製造プロセスの開発
・宇宙の基本法則と進化の解明
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★萌芽的課題
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・基礎科学のフロンティア - 極限への挑戦
・複数の社会経済現象の相互作用のモデル構築とその応用研究
・太陽系外惑星(第二の地球)の誕生と太陽系内惑星環境変動の解明
・思考を実現する神経回路機構の解明と人工知能への応用
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スーパーコンピュータを用いたさまざまな分野の課題解決を、日本がリードして行く未来を想像させる内容ではないでしょうか。2021年を予定している共用開始まで、今後も適時着目して参りたいと思います。“ポスト「京」”の開発状況やシステム概要については、富士通株式会社と理化学研究所の「PRESS RELEASE」内容をご覧ください。 ※ご紹介の写真はイメージです。

■参考サイト1:富士通株式会社&理化学研究所PRESS RELEASE
ポスト「京」開発状況について
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2018/06/21.html

■参考サイト2:理化学研究所・富士通株式会社2017年11月15日トピックス
「京」が性能指標(HPCG)において3期連続で世界第1位を獲得
-産業利用など実際のアプリケーションにおける高い性能を証明-
http://www.riken.jp/pr/topics/2017/20171115_1

■参考サイト3:November 2017 HPCG Results(※)
http://www.hpcg-benchmark.org/custom/index.html?lid=155&slid=293

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