Vol.185 KDDI総研・スマート漁業の実現に向けた新型スマートブイを開発!

KDDI総研・スマート漁業の実現に向けた新型スマートブイを開発!

この記事のタイトルをご覧になり、『スマート漁業』という言葉にはじめて触れた方も多いのではないでしょうか。「漁業は博打のようなもの」ともいわれるように、従来の漁業は天候や、漁師の経験、勘によるところが大きく、漁獲量や漁師の収入は常に不安定なものでした。定置網漁では、網を上げてみるまでは成果を確認することが出来ませんし、マグロの一本釣り漁などでは、ベテランの漁師でさえ1本も釣れない期間が長いこともあるといいます。
『スマート漁業』とは、「海洋ビッグデータ」や「IoT」を活用して、操業の効率化が図られた漁業のことを指しています。KDDI総研ではこの『スマート漁業』の研究に、総務省の戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)/「局所的海洋データを活用した漁業の効率化の研究開発」の一環として取り組んでおり、2016年10月18日から一般社団法人東松島みらいとし機構(HOPE)と、宮城県石巻湾漁場で、定置網漁業の効率化を目指し、各種センサー、カメラ、通信機能などを搭載した「スマートブイ」を用いた実証実験を行ってきました。(※)

KDDI総研・スマート漁業の実現に向けた新型スマートブイを開発!

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これまでの実証実験により、漁獲量の実績データと「スマートブイ」で得られるセンサーデータや周辺の気象データを組み合わせて分析することで、“おおまかな漁獲量予測が可能”という結果が得られました。一方で、従来の「スマートブイ」では、搭載している一次電池の寿命がおよそ1ヶ月間で、定期的な電池交換作業が必要なこと、また重量が20kg以上あり、ブイ運用に関する作業負担が大きいことが課題となっていました。
さらに従来の「スマートブイ」は、1台で複数の多様なセンサー(水温・水圧、塩分濃度、潮流など)を搭載していますが、その構造的な複雑さや、頻繁な清掃が必要などの、メンテナンス性にも課題があった他、これまでの実証実験で得られた結果から、水深が異なる位置に対応した複数の水温センサーだけで、漁獲量を十分予測できることが判明したそうです。

今回開発した「新型スマートブイ」は、浸水による発火の危険性が少ない二次電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)とソーラーパネルを組み合わせて利用し、電池交換などのメンテナンス不要で1年間の連続動作実現を目指しています。さらに、搭載するセンサーは、漁獲量予測に寄与すると考えられる多層の水温測定が可能な水温センサーの他、塩分や溶存酸素など様々なセンサーを目的に応じて交換・接続することも可能で、重量は従来型スマートブイの50%程度に軽量化しています。従来型の「スマートブイ」と比較して運用性が格段に向上し、より効果的なデータを長期間取得できるとしています。

KDDI総研・スマート漁業の実現に向けた新型スマートブイを開発!

さらに、新型スマートブイは、内部の通信モジュールの交換によって、省電力で広範囲の通信可能範囲を有するセルラーLPWAの一種であるLTE-M(Cat.M1)(注4)や、従来のLTE通信よりも低消費電力化を実現しているLTE Cat.1(注5)など複数の通信方式に対応しており、スマートブイからクラウド上のデータベースに直接データを蓄積できる仕組みも搭載しています。
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いかがでしたでしょうか。前回のポストでも「IoT」の進展に寄与する最新技術の事例をご紹介しましたが、「漁業」にも拡がりを見せている実態が確認できました。今後もさまざまな分野における「IoT」進展の状況をご紹介して参ります。

■参考サイト1:株式会社KDDI総合研究所ニュースリリース
スマート漁業の実現に向けた新型スマートブイを開発
http://www.kddi-research.jp/newsrelease/2018/061901.html
■参考サイト2:スマートブイを用いたスマート漁業実証実験を開始(※)
http://www.kddi-research.jp/newsrelease/2016/101801.html
■参考サイト3:総務省/海洋ビッグデータを活用したスマート漁業モデル事業
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/jirei/2017_013.html

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