Vol.184 長さの単位"メートル"の生い立ちに関するトリビアをお届けします。

長さの単位"メートル"の生い立ちに関するトリビアをお届けします。

前回のポストでは、「惑星までの距離」というとてつもない単位の計測の話題をご紹介しましたが、今日は私たちの生活に身近な距離「メートル」や、質量を表す「リットル」の概要と起源についてご紹介します。
「メートル法」の起源は、18世紀末のフランス革命まで遡ります。当時の世界には、同じ物理量に対してさまざまな計測方法や単位があり、中には複雑な計算を伴う単位も無数に存在していました。現在でも建築業界を中心に使われている「尺貫法」や、ゴルフコースの距離を示す「ヤード」などもその一つです。
ヨーロッパで産業革命が起こり、工業・産業の急速な発展、国同士の貿易が活発になると、それまで国別・業界別に異なって存在していた「単位」では、ビジネス上も不都合な場面が多くなって行きました。そうした背景から、世界共通で使用できる単位制度の統一を目指し、制定された長さの単位が「メートル」なのです。フランス革命後の1790年に、議会議員である「タレーラン=ペリゴール」の提案によって決議されました。

ちなみに1メートルは100cm、1kmは1,000メートルですが、
この「メートル」の長さはどのようにして決められたのでしょうか?

そのヒントは、前回のポスト(※)の中にあります。地球の直径はおよそ13,000km、地球一周=つまり赤道一周の距離は40,000kmです。この実に“キリの良い数字”から読み取れる通り、1メートルの長さは、「地球の大きさ」を基準に作られたものなのです。
北極点から赤道まで、「子午線の1000万分の1」に相当する長さが「1メートル」として定義されました。そしてこの時、北極点から赤道までの子午線の距離を測定する際に用いられた測量方法が「三角測量」です。フランスのパリを起点に、三角点のB地点をフランスの都市「ダンケルク」、C地点をスペインの都市「バルセロナ」に選び、1792年からおよそ6年間の歳月をかけて測量を行い、B⇔C間の距離を測定して「1メートル」の長さが決定したのです。そしてこの「メートル」を基準として、「質量」や「面積」の単位も決定しました。1立方デシメートルの水量が1kg(キログラム)、100平方メートルが1are(アール)です。

このように大変な苦労を重ねて決められた「メートル法」も、なかなかすぐには普及しませんでしたが、1837年にフランスでメートル法以外の単位使用を法律で禁じたこと、また1851年のロンドン万国博や1867年のパリ万国博を契機として次第に広がり、現在では世界中のほとんどの国や地域で使用されています。※意外なことに、世界一の経済大国である「アメリカ合衆国」では、未だにメートル法が浸透しておらず、「インチ」「フィート」「ヤード」「マイル」が一般的に使用されています。他にメートル法が普及していない国は、「ミャンマー」と「リベリア」です。

2回にわたり、距離の計測方法や単位の概要・起源についてご紹介しました。今後もさまざまなモノや単位の「計測」に関する話題をお届けして参ります。

■Rentec Journal:『三角測量原理』による”星までの距離”の測定と限界について (※)
http://journal.orixrentec.jp/2018/07/post-73.html

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