Vol.180 海底にデータセンターを設置!マイクロソフトの「Project Natick」をご存じでしょうか?

海底にデータセンターを設置!マイクロソフトの「Project Natick」をご存じでしょうか?

一言で説明すると「海底にデータセンターを構築するための研究プロジェクト」です。データセンターの役割と重要性はますます高まり、高速かつ安定したネットワーク環境、自然災害や外部からの攻撃などにさらされない堅牢且つ強固なセキュリティ、24時間365日の監視体制など、「基本ライン」として要求されるレベルも高くなっています。企業活動の根幹を担っているといっても過言ではないデータセンターの重要性の高さから、グローバル企業ともなると、「某山中/某砂漠の地下数百メートル」など、データセンターの所在地を決して公開することはなく、限られたわずかな社員のみが認識している、といったケースが殆どです。

マイクロソフトが推進する「Project Natick」では、データセンターの新たな設置場所として、「海底」の可能性を見極めようと、さまざまな視点で潜在的なメリットを調査しています。第一段階は今からおよそ3年前の2015年8月にスタートし11月にかけて米国の太平洋岸から約1キロ離れた海底にデータセンターを設置しました。そして先日(2018年6月初旬)に発表された第二段階では、第一段階で得られた研究成果を基に、再生可能エネルギーを活用する計画です。「Project Natick」のデータセンターは、スコットランドのオークニー諸島沖に設置され、オークニー電力網に接続されています。オークニー諸島では沖合の波と潮、そして海上の風と太陽光を混合したエネルギーで、島々のデータセンターに電力を供給するために十分な再生可能エネルギーを生産しており、残りの再生可能エネルギーをスコットランド電力網に送り返しています。

海底にデータセンターを設置!マイクロソフトの「Project Natick」をご存じでしょうか?

マイクロソフトはこのプロジェクトの必要性について、世界人口のおよそ半分が海洋から200km以内に住んでいることを挙げ、データセンターを沿岸付近に配置することで近接性が高まり、待ち時間が大幅に短縮、応答性が向上すると述べています。また、「環境への配慮」という点においては、各地域で生産された「グリーンエネルギー」を活用する持続可能なデータセンターの構築と、利用する顧客企業自らの持続可能性要件を満たすための追加オプションを提供するとしています。「Project Natick」のデータセンターは完全にリサイクルされ、ゼロエミッションを目指すという点、環境に放出される廃棄物がないという点、さらに冷却やその他の目的で水を消費しないという点も挙げています。
メンテナンス無しでの稼働時間は最大5年間。期間終了後に一旦回収して、新たなマシーンに取り替え再び海底に設置する計画です。第一段階では、高い効率で運用する能力を含む、海底データセンターの実現可能性を実証したとし、今回の第二段階ではさらに設計上・運用上の精度を高め、「製品化」に繋げていくことを目的としています。

現時点ではまだ“研究段階”にあり、成功するかどうかはわかりません。この新たなデータセンターへの取り組みが、マイクロソフトや、他のクラウドサービスプロバイダに採用されるかどうかは、今後の評価・判断ですが、ますます重要性が高まっている「データセンター」への新たなアプローチに、今後も注目したいと思います。

■参考サイト:Microsoft /Project Natick
https://natick.research.microsoft.com/

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