Vol.190 【時代を変えた技術・製品 Vol.10】

【時代を変えた技術・製品 Vol.10】

世界初の業務用レーザーディスクプレーヤー
パイオニア「PR-7820」

技術・製品と共に時代を振り返るこちらのコーナー。第10回目は1979年(昭和54年)に発売された、世界初の業務用LDプレーヤー:パイオニア「PR-7820」をご紹介します。

「レーザーディスク」は、パイオニアが開発した光学式のディスク規格で、アナログで記録された映像と音声を「レーザーピックアップ方式」で読み取る技術を採用しています。発売当時の日本国内において「レーザーディスク」はパイオニアの登録商標であり、パイオニアのみがLD(LV)のプレーヤーを製造・販売していました。「絵の出るレコード」というキャッチコピーのCMを記憶されている方も多いのではないでしょうか。
当時主流だった、「VHS方式」のビデオデッキに比べて水平解像度が高かったことや、“非接触”で再生可能な「レーザーピックアップ方式」により、ビデオテープのデメリットの一つだった「テープの摩耗」が無いことなどがアドバンテージとなり、その後さまざまなメーカーがLDプレーヤー市場に参入するきっかけとなりました。

パイオニアは「PR-7820」の発売後、1981年(昭和56年)10月に民生用LDプレーヤーの第1号機「LD-1000」を発売し、家庭で映像を再生できる初のディスク媒体として一時代を築きました。さらに1983年(昭和58年)には、世界初の半導体レーザーを使用した家庭用LDプレーヤー「LD-7000」を発売。翌年1984年(昭和59年)には、世界初のLD/CDコンパチブルプレーヤー「CLD-9000」を発売し、LDとCDとの互換性をプレーヤー側で確保する考え方を業界に定着させるきっかけも作りました。この概念は、その後のDVD、BD(ブルーレイディスク)においても継承されています。

パイオニアは2009年に、プレーヤーの製造・販売を終了していますが、パイオニアが開発した技術は、映画や音楽鑑賞、カラオケやゲームなど、幅広い用途で多くのユーザーの娯楽のあり方を変えたことは間違いありません。
2015年9月には、その影響力が評価され、パイオニアのレーザーディスクプレーヤー3機種が、国立科学博物館の「未来技術遺産(※)」に登録されました。(※「未来技術遺産」は、科学技術の発展を示す技術的な資料や、国民生活や社会、文化に大きな影響を与えた科学技術資料の保存と次世代への継承を目的に、2008年に制定された制度です/未来技術遺産として登録されたのは「PR-7820」、「LD-7000」、「CLD-9000」の3機種です)

国立科学博物館の「2015年度 未来技術遺産(登録番号:第00201号)」登録資料の「選定理由」欄には、以下の様に記載されています
-------------------------------------
世界初の産業用レーザディスク(LD)プレーヤである。産業用途に耐えうる安全性や信頼性を確保しつつ量産化された。北米の産業用市場に導入され、ランダムアクセス可能な高画質な動画機器として、多くの応用が試みられた。本機の開発・実用化により、レーザの使用、光学系の設計と光学部品量産化の技術、マイクロプロセッサとソフトウェアを用いたサーボ制御技術といったLDプレーヤに必要な基本技術を確立するとともに、世界をリードする光ディスク技術の開発につながった。 -------------------------------------

いかがでしたでしょうか。パイオニアのレーザーディスクプレーヤーは、まさに「時代を変えた技術・製品」だったのです。今後もさまざまな業界から、「時代を変えた技術・製品」をシリーズで展開して参りますので、ぜひご注目ください。

■参考サイト1:パイオニア株式会社 報道資料(2015年9月2日)
http://jpn.pioneer/ja/corp/news/press/index/1936
■参考サイト2:国立科学博物館 産業技術史資料情報センターHP
(登録番号:第00201号)
http://sts.kahaku.go.jp/material/2015pdf/no201.pdf

ページトップへ