Vol.197 Googleがデータセンターの冷却システムをAIに一任!

Googleがデータセンターの冷却システムをAIに一任!

7月初旬のポストでは、マイクロソフトが海底にデータセンターを構築するための研究プロジェクト「Project Natick」についてご紹介しました。データセンターの役割と重要性がますます高まっているなか、高速かつ安定したネットワーク環境の実現には、サーバーを“オーバーヒート”から守るための「冷却システム」も欠かせません。

この記事のタイトルをご覧になり、「AIもそこまで来たか!?」と感じた方も多いのではないでしょうか。Googleが傘下の「DeepMind(ディ―プマインド)」と共に取り組んでいる「AIによるサーバーの空調管理」は、単に空調管理をAIで自動化するというだけでなく、消費電力の節約にも大きく貢献するものです。ご存知の通りGoogleには、「Google検索」、「Gmail」、「YouTube」など、膨大な利用者を持つサービスが複数存在します。それを支えるためのデータセンターには、同様に膨大な数のサーバーが存在し、「冷却システム」を運用するだけでも莫大なコストが必要です。GoogleとDeepMindは、これまでオペレーターが対応していた冷却システムを、AIによる直接制御に移行し、すでに複数のデータセンターで導入を開始しています。

Googleがデータセンターの冷却システムをAIに一任!

Googleではデータセンターの消費電力効率の改善と、CO2排出量削減のために、2016年から「AIによるエネルギー節約システム」の開発を進めてきました。AIによる新システムは、オペレーターからのフィードバックをもとに構築されており、データセンター内にある数千ものセンサーから、サーバーの冷却状況を5分ごとに取得します。そして、さまざまなアクションプランの中から、どのプランが安全性を確保しながらエネルギー消費を最小限に抑えることができるのかを特定します。AIはすべてのアクションプランについて、その有効性を計算し、信頼性の低いものは除外されます。そしてAIが「最適」と判断したアクションプランは、ローカル制御システムに送られ、オペレーターがあらかじめ定義した「安全性制約」に沿ったものかの照合がされます。ここで「安全でない」と判断された場合、そのアクションプランは実行されずにローカル環境で留まります。オペレーターはローカル環境に留まっているアクションプランを制御することも、AIによる自動制御モードを停止させることもできるのです。こうした2層構造の検証により、安全性と信頼性が確保されています。

Googleデータセンター運営者の1人:Dan Fuenffinger氏によれば、「システムを自動化することで、ミスを減らしながら、より詳細なアクションを頻繁に実行できるようになった」と話しています。AIによる冷却システムが稼働した当初の消費電力の削減効果は12%程度でしたが、このシステムはデータが蓄積されていくごとに改善の精度も高まるため、今後はより大きな削減効果を見込んでいます。実際に、実装してからの9カ月間で削減効果はおよそ30%まで増加したそうです。
GoogleはこのAI制御システムを、自社施設の消費電力削減に役立てるだけでなく、より幅広い産業や環境にも応用し、「CO2排出量削減」に貢献していく考えです。今後もこのシステムがもたらす成果について、適時注目していきたいと思います。

■参考サイト:DeepMind公式
Safety-first AI for autonomous data centre cooling and industrial control
https://deepmind.com/blog/safety-first-ai-autonomous-data-centre-cooling-and-industrial-control

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