Vol.189 あらゆるモノをネット化!貼れる&剥がせる薄膜状電子回路とは!?

あらゆるモノをネット化!貼れる&剥がせる薄膜状電子回路とは!?

IoT(Internet of Things/モノのインターネット化)に関する情報は、当ページでもこれまで何度かお伝えして参りましたが、タイトルをご覧になり、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
パデュー大学とバージニア大学の研究チームは、小さな薄膜状の電子回路を開発しました。この回路はさまざまなモノの表面に貼ったり剥がしたりすることができ、センサやワイヤレス通信システムとしても利用することが可能です。研究チームによると、この技術はさまざまなIoT関連技術や製品の製造ステップとコストを削減することができ、またこの「ハイテクステッカー」の活用により、あらゆるものの遠隔的な感知・操作・制御を可能にするとしています。
パデュー大学のChi Hwan Lee助教授は、その例として「カスタマイズしたセンサをドローンに固定し、災害事故の現場など危険な場所に飛行させることで、ガス漏れなどの状況検出が可能になること」や、「植木鉢に貼り、植物の成長に影響を与える温度変化の感知が可能になること」などを挙げています。

この新しい「薄膜状電子回路」と、従来の電子回路との最大の違いは「シリコンウェハー」を使わずに製造が出来ることです。これまでシリコンウェハー上に構築された回路を除去するには、高温な科学エッチング(Etching)処理が必要で、この処理によりウェハーが損傷してしまうため、毎回新しい「シリコンウェハー」に構築するというプロセスが必要でした。新しい技術は「転写印刷」と呼ばれ、電子回路全体をステッカーに転写することができ、さらに必要に応じて剥がしたり、再度貼り付けたりすることも可能にしているため、1枚のウェハーを何度も使用してコストを削減することができるのです。

あらゆるモノをネット化!貼れる&剥がせる薄膜状電子回路とは!?

■Chi Hwan Lee助教授はまた、以下の様にコメントしています。
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ニッケルのような延性金属を、薄膜電子回路とシリコンウェハーの間に挿入すれば、水中で剥がすことができる。これらの薄膜状電子回路は、切って整形することができ、どんなモノの表面にも貼れて、モノに電子的機能を持たせることができる。
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同研究チームでは、電子集積回路をシリコンウェハーから剥がした「薄膜」にする前と後で、同様に機能することを実証しています。
IoTはこれまでインターネットと無縁だった身の回りのさまざまなモノがインターネットと繋がり、相互での情報交換や操作・制御を行う仕組みを意味していますので、この「ハイテクステッカー」はまさにIoTをスケールアップさせる技術と言えそうですね。今後も注目して行きたいと思います。

■参考サイト:パーデュー大学ニュース(2018年7月16日)
Electronic stickers to streamline large-scale 'Internet of Things'
https://www.purdue.edu/newsroom/releases/2018/Q3/electronic-stickers-to-streamline-large-scale-internet-of-things.html

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