Vol.204 スイスが世界初の"リアルタイム花粉計測システム"導入へ!

スイスが世界初の"リアルタイム花粉計測システム"導入へ!

レーザー光線で記録しAIが解析!

こちらの記事のタイトルをご覧になって、「日本でもぜひ導入して欲しい!」と思われた方は多いのではないでしょうか。日本の“国民病”とも呼ばれている『花粉症』ですが、アレルギー反応を引き起こす主な原因となっているのが「スギ花粉」です。スギは日本の固有種であるため、海外では「スギ花粉」に悩まされることはありません。「と、いうことは?海外には“花粉症”はない?」という疑問が湧いてきますが、スギ以外の花粉が、日本と同様に各国の人々を苦しめているのです。今回ご紹介するのは“イネ科の花粉”が多いヨーロッパ諸国で、花粉症の悩みを軽減するために、スイス気象庁「Meteo Swiss(メテオ・スイス/国立スイス気象台)」が、2023年に導入することを決めた「世界初のリアルタイム花粉計測システム」です。

「メテオ・スイス」では現在、スイス国内の重要な地域をカバーする15ヶ所に「花粉レベル」を測定できる拠点「モニタリングステーション」を持ち、「花粉モニタリングネットワーク」として運営しています。これらの拠点では、毎分10リットルの空気を吸い込める「容積型花粉トラップ」で花粉の粒子を採集し、花粉量を計測しています。このトラップに装着されている専用の回転ドラムには花粉の粒子が付着し、毎週1度ドラムを交換して、分析センターで解析を行います。そこで花粉の種類と、1立方メートル当たりの空気中の花粉濃度を計算しているのです。

スイスが世界初の"リアルタイム花粉計測システム"導入へ!

このプロセスには、花粉の種類と濃度を正確に計測できるというメリットがある反面、多くの手間が掛かり、またデータを活用できるまでに2日~9日も期間を要するというデメリットがあります。こうした状況を踏まえて「メテオ・スイス」は、2010年からさまざまな「リアルタイム花粉計測システム」の試験を行ってきました。そこで生まれた最新の計測システムでは、レーザー光線によって空気中に舞う花粉の画像を記録し、ホログラムのような写真を作成、AIと独自のアルゴリズムにより、粒子の大きさや形状などから、花粉の量と種類を特定することを可能にしています。
このシステムが自動化すれば、花粉症患者はより信頼性が高い花粉情報を、リアルタイムで把握することができ、適切な予防措置を行えるようになります。新システムの導入には相応のコストと期間が必要だそうですが、花粉症の症状がひどい時に仕事を休んでしまうことによる生産性の低下を軽減することで、十分な投資対効果が得られるのではないでしょうか。新たな花粉症対策のモデルケースとしてぜひ成功してほしいですね、今後も適時着目して参りたいと思います。

■Metro Swiss:Pollen monitoring network
https://www.meteoswiss.admin.ch/home/measurement-and-forecasting-systems/land-based-stations/pollen-monitoring-network.html

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