Vol.206 IoTで路面状況を「見える化」!

IoTで路面状況を「見える化」!

村田製作所が、新たな路面検知システムを開発!

8月中旬にイタリアの高速道路で高架橋が崩落する事故が発生し、40人以上の犠牲者を出しました。完成から50年以上経過していたこの高架橋は、過去にいくつもの構造上の問題が指摘されていただけでなく、老朽化への懸念から2009年には「取り壊し」も検討されていたそうです。この事故により、道路の安全性に対する不安と、インフラの老朽化対策の重要性が改めて認識されました。
日本国内においても、2020年の東京オリンピック開催に向けてインフラ整備の必要性が指摘されています。現在の首都高速道路やトンネルの多くは、前回大会の1964年に向けて整備されたもので、すでに50年以上が経過しているためです。道路のメンテナンスには多額の費用が必要で、その財源確保も大きな課題になっています。

総合電子部品メーカーの村田製作所が7月末に発表した、新たな「路面検知システム」は、こうした課題解決への貢献が期待される内容です。
このシステムは、ジャイロセンサーや加速度センサー、ショックセンサー、マイクなど、さまざまなセンサー技術と高精度な画像処理技術で構成されており、路面の傷み具合だけでなく、降雨や積雪、路面温度の上昇や凍結など、天候とともに変化する路面情報も検出します。しかも“一般車両“に搭載することができ、走行中にデータ収集が可能です。入手した膨大なデータはクラウド上で処理し、あらゆる走行環境下での路面状況や、道路が老朽化している状態などを「見える化」することができるのです。

IoTで路面状況を「見える化」!

この路面検知システムはすでに、京都府宇治市とソフトバンクの実証実験に導入されています。(※1) ソフトバンクが持つ位置測位技術と組み合わせ、配送業などの商用車両に搭載することで、宇治市内の路面情報を収集するというものです。路面検知システムと位置情報を連携させることで、路面の状態や問題のある場所を正確に把握することができ、収集したデータはソフトバンクのIoTプラットフォームで一元管理ができる仕組みです。こうした実証試験を通して、配送業務で全国各地を行き来するトラックなどに搭載できるようになれば、広大なエリアの路面情報収集がリアルタイムで可能になります。

これまで道路のメンテナンスには、熟練の作業員が専用車両を用いて定期的に巡回する必要があったため、多くのコストと時間がかかっていました。国土交通省の試算によると、2013 年度の維持管理・更新費は約3.6兆円、10年後には4.3~5.1兆円、20年後には約4.6~5.5兆円に増加する見込みで、国や自治体の財政を圧迫する要因になっています。村田製作所では、この「路面検知システム」を活用することで、「検査プロセスの低コスト化を図り、さらには雨天や降雪など悪天候時に露見する道路の欠陥情報を提供することで、効率的な予防保全の実現を支援します。」とコメントしています。
路面情報の「見える化」による低コスト且つ効率的な道路保全は、社会的貢献度も大きいため、今後も適時、注目して行きたいと思います。

■村田製作所コーポレートニュース:2018年7月30日
IoTで路面状況を「見える化」
低コストで効率的な道路保全と自動運転社会に貢献する路面検知システムの開発と実証実験ついて
https://www.murata.com/ja-jp/about/newsroom/news/product/others/2018/0730
■SoftBankプレスリリース:2018年6月29日 (※1)
IoTを活用して路面情報を検知する実証実験を宇治市で実施
https://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2018/20180629_03/

ページトップへ