Vol.217 脳波で文字入力ができるシステム「NeuroChat」を開発

脳波で文字入力ができるシステム「NeuroChat」を開発

ロシアのスタートアップ「NeuroChat」社

人の脳波や脳信号を解読して、その人が意図していると推定される動作をロボットが補う技術の研究は、さまざまな機関で行われていますが、そんななか今回発表された「NeuroChat(ニューロチャット)」は、「文字入力」に特化したもので、脳卒中や交通事故などの後遺症により重度の言語障害を負った人たちに、再び他人との「コミュニケーション」を取り戻すことを“ミッション”としています。「NeuroChat」の開発プロジェクトには、神経生理学者、心理学者、医師、エンジニア、プログラマー、数学者などさまざまな分野の専門家が参加しており、最初の発表は2016年の12月で、これまでおよそ100人のユーザーが利用し、それらのフィードバックを基に改善を重ねて、現在のバージョンは「9」です。

■「NeuroChat」の仕様/文字入力の仕組み
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「NeuroChat」は、特別なインターフェイスを含むハードウェアとソフトウェアの複合体で、8個の電極とアンプ、バッテリーを搭載したヘッドバンドと、専用のディスプレイを使用しています。ヘッドバンドは、患者が長時間着用できるよう“快適さ”に配慮されており、着用した患者の脳波を瞬時に記録、Bluetoothを介してコンピュータにデータ送信します。患者はディスプレイに表示されている文字を見て、入力したい文字に反応した時の脳波の振幅をヘッドバンドが検知し、ディスプレイの入力画面に文字が入力される仕組みです。
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脳波で文字入力ができるシステム「NeuroChat」を開発

「NeuroChat」のシステムは、予測変換機能を備えているほか、「HELLO」や「GOOD」などよく使うフレーズを、あらかじめディスプレイに表示させておくことも可能です。「NeuroChat」は、病院やリハビリセンターなどといった、障害者用の施設向けというよりも、“家庭での利用”にフォーカスして開発されており、患者が自分の家族や友達と、簡単にコミュニケーションを取れることを目的としています。さらに今後1年以内には、スマートホームのシステムとも接続し、照明やテレビ、エアコンなどの操作も行えるようにするなど、IoT化も視野に入れています。

★「NeuroChat」が掲げている5つの目的
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1.患者が独立して生活できる範囲を拡大する
2.患者の生活支援の快適性を向上させる
3.患者の治療やリハビリの有効性を高める
4.患者の経済的、肉体的負担を軽減する
5.患者の社会復帰に向けた新たな条件を作り出す
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脳波で文字入力ができるシステム「NeuroChat」を開発

「NeuroChat」社によれば、文字の入力精度は平均で80~90%にも達し(患者の脳の損傷度合いにより増減)、患者が操作に慣れれば慣れるほど、速さと正確性も向上するといいます。「NeuroChat」は今月中にも開発が完了し、12月から販売を開始する予定です。価格は「NeuroChat」の本体、通信料、サービス使用料込みで月額150$(米ドル)のレンタルプランや、1500$の「NeuroChat」本体販売プランなどで検討を進めています。

言語障害を持つ方のコミュニケーション範囲が広がる技術、また身体に障害を持つ方の日常生活における独立領域が広がる技術。今後のさらなる進展にも期待し、適時着目して行きたいと思います。

■参考サイト:Neuro Chat
http://neuro.chat/
■YouTube:ВРоссии создают социальную сеть для парализованных людей
https://www.youtube.com/watch?v=5idzPCwNvxk&feature=youtu.be

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